百姓一揆 last interview / last live動画公開

 同郷 静岡県三島市の百姓一揆が解散を発表。後期の彼らは独特な空気感に纏われた絶頂期の中、ドラム鶴野の脱退から、解散へ。 どこまでもアンダーグラウンドではあるが、僕たちにとっての伝説になり得るだろう。 残念過ぎるが、THE RESTAURANT、And Protector、Sinker、Estoといった彼らが在籍するバンドは続いていくし、新たなプロジェクトがまた生まれていく可能性に期待しよう! 現在はカレー屋も営む、和田に百姓一揆としてのラスト・インタビューを行った。

 

 百姓一揆、結成の経緯を教えてください。
元々はもう一つのバンドのTHE RESTAURANTをやっていく中で、自分がギターが下手くそなのが気がかりで、このままじゃな〜っていう思いがあって、、
自分をブラッシュアップしていかないといけないなあ〜っていう気持ちがあったのが一つと。
その頃THE RESTAURANTでなかなか自分の思ったペースで曲作りができていなかったから、
それなら自分主導でバンド立ち上げちゃおっか〜っていうのが最初のきっかけでした。
今のバンドとの差別化もしないといけない上で、敬愛するbloodthirsty butchersだったり
eastern youthの影響を受けながら変則チューニングでヘンテコな曲の作り方
(サビが一回しかないとか、セッション曲みたいなの)を作り始めたのが最初でした。
ちょっと話が逸れてますが、簡単にはコピーできないバンドを目指してました。
全曲チューニング違うのもそれです。

 

 

  「自主制作デモ」について
この頃はBassの小橋さんがちょうど加入した時期で、
小橋さんが百姓一揆の曲を聞いたときに、録ろう!って言ってくれたのがきっかけでした。
沼津市の郊外のスタジオで録って、何かはじまるワクワク感みたいなのがあってよかったです。
ちょっと浮き足立っていた感じもあります。
今聞くといなたすぎて恥ずかしいです。でもどのバンドにもそんな時期はあるんじゃないかなって思います。

 

 

 「皮と肉、骨」について
百姓一揆にとっては初めてのきちんとした音源でした。
今でもライブでよく演奏する福沢諭吉や隠れファンの多いフツウ(Jamie加入後はやらなくなりましたが…)だったり、
カワヲハイデもライブでよく演奏します。
結構名盤だと思っています。
ちなみにあの意味不明なジャケットは骸骨のタトゥーを入れた時の血の写真です。気持ち悪いですよね。笑
ジャケットを小説みたいにしたくて縦文字にしたのを覚えています。

 

 

 「IKKI2」について
Jamie加入後初のEPですね。
この頃から百姓一揆のいなたさが抜けて、スタイルを確立していったような気がしていて、
みんなの立ち振る舞い方とかも確立されていった時期だと思います。
狂気性とか、さまざまな事象に対するフラストレーションとか、そういう細かいところがライブに出ていた気がします。
百姓一揆は音源よりライブが一番良いと思っていますが、この頃のライブが一番のってた時期なんじゃないかなっていう気がします。
ジャケは基本僕が作っているのですが、このジャケットが一番気に入っています。

 

 

 「逃げ出せ 一発録り」について
コロナ禍で思うようにライブができなくなっていた中で、
ライブはできなくても何か面白いことやりたいな〜っていう思いがあって、
本当はIKKI3に収録するつもりだった逃げ出せを先出しして、地元三島のゴリラハウスで1発録りを敢行しました。
この頃は本当にライブがキャンセルに次ぐキャンセルって感じで、本当にライブができなかった時期なので、
ライブ感のある音源を録りたかったっていうのも1発録りを選択した動機の一つです。

逃げ出せっていう曲は歌詞がめちゃくちゃいいのでぜひ聞いて欲しい曲の一つですね。

 

 

 「IKKI3」について
この頃になって徐々にやりたい音楽性が変わってきたのも
元ドラム鶴野の脱退のきっかけの一つでもあったんじゃないかって今では思っています。
Dischord RecordsのFUGAZIだったり、Hooverだったりそんな音楽性に憧れを抱いて曲を作っていた時期です。規則性の中で生まれるグループみたいなのに面白味を感じていて、でもそれはベードラ的には少し退屈な感じもあったかな〜って。
実はこのアルバムを録っていたときに作っていた曲が2曲あって、
その曲は結局ライブでも演奏できずって感じで埋もれた曲が2曲あります。
いつか時間差でリリースしたいっす。

 

 

 なぜ解散となりましたか。
オリジナルメンバーであったドラムの鶴野が2021年に脱退したのが結構大きかったです。
音源聞いてもらえればわかると思うけど、彼のドラムは百姓一揆にとってはあまりに大きく、無くてはならないものだったし、
そのドラムありきで曲が完成されていたので、脱退後はライブをやる気力が起きず徐々にモチベーションが下がっていったって感じです。
脱退後なんとか延命的に2年満たないくらい百姓一揆は存続していましたが、
このままじゃダメだと思い、解散という結論に至りました。

 

 

 和田氏にとって、百姓一揆とは?
俺は全然職人じゃないけど、職人たちの集まりの場って感じです。笑
全任せして化学反応を楽しんでいましたね。

 

 

 今後の展望は?
ちょうど自分のやりたい音楽性も変化してきていた時期ではあったので、
これからは今までの曲を全て捨てて、新しくまた一からバンドを作り上げようと思っています。
ローファイでノイジーで、でも歌心のある感じの、かつ不協和音な音を出していきたいです。
頭の中の感じを形にするのが難しくて、、結構時間はかかる気がしてます…。

 

 百姓一揆ありがとう。

最後のライブから二曲「諸行無常」「ふがじ」を公開します。(ラストライブはShouting Chickensのリクトがドラムサポート)

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