インストミュージックを現在進行で発展するe;inと、フレキシブルな形態でアーバンなサウンドを追求するcowbellsによる一聴異色とも取れるスプリットEP。90年後半から00年代におけるインストロック文化の注目/急成長の影響下、ロックまたはEMOから派生したインストゥルメンタルは、感情に実直すぎるがゆえミュージックとしての在り方が曖昧に扱われてきた。今回のe;in、cowbellsは、方法論こそ違えど、ロックである前にまずは音楽という印象が相応しい。脂の乗った曲の展開やアイデアに、極上のプレイやサウンド、リスナーを喜ばす為のギミックが沢山仕掛けられている。京都インストロックの雄LOW-PASSのギタリスト金澤が在籍するe;inは日本人特有の侘び寂びが利いたアンサンブルが特徴で、小編成にも関わらずJaga Jazzist のようなビッグバンド的構築〜脱構築をシンプルに聴かせる。対する愛媛のcowbellsは、デュオユニット(ツインドラム)の特性を活かしたグルービーなサウンドと豊富なアイデア。BATTLES~エイフェックスツインやAdam Fなどに代表される、テクノ/エレクトロニカ/ドラムンベースの要素を肉体とアイデアで昇華していて、クラブファンにも受け入れられるであろう。
physical:  CD
digital: iTunes
Track List:

[e;in] towards tomorrow / never fade / amur [cowbells] ARTAT / DIALOG / OMUN / PEACE PLACE