8月に1stアルバム「踠いていく日々」をリリースしたTHE RESTAURANT。
リリースから1カ月経ちましてサブスクリプションも解禁。
今作についての対談インタビューしました。(ドラムひとしは欠席)
バンド結成の経緯を教えてください。
井手拓也(I):経緯は、俺が2013年くらいに「THE TRUST BLAST(以下:トラブラ)」でベースを弾いていて、ちょっと自分と合わないなってなって、俺が自分で好きな曲をもう少し作ったら自分のバンドを作ろうって思って、5曲できたのでバンドメンバーを探し出したんです。で、実はユーヤ君達に出会う前にバンドメンバー探しててちょっとやったりしてたんだけど。
でもドラムで大学卒業したやつがいたり、東京行っちゃったりしたやつがいて結局できなくなっちゃって、ショウマさんっていうイベンターがいたんだけど、「ドラム探してるんですよ。バンドメンバー探してるんですよ」って言って、たまたま「GIGGLE」という飲み屋でユーヤ君と出会って、最初たぶんsyrup16gやミスチル聴かせたりしてくれて、そこから基盤が出来て、ショウマさんがコピバン組んでぽしゃってるドラムがいるよって言われて、ヒトシが入ってきてくれて。そういう感じの始まりです。
井手在籍時のTHE TRUST BLAST
始め3人だったよね。
I:そう、始め3人。最初は割とトラブラやりながらで、個人的に割とラフな。トラブラをやってる代わりに趣味程度でラフな感じでTHE RESTAURANTやろうと思って。
スタジオに瓶ビール持っていったりとかしてた(笑)
ユーヤ君はバンドやりたいっていう気持ちはあった?
和田侑也(W):うん。そう、あって。
オリジナルで?
W:そうですね。高校の時ずっとコピーバンドやってて、大学入って4年くらいギターを全く触らない時期があって、それはやるメンバーがいなくて、やる人もいないし一人でギター触ってもって思って何も触っていなくて、軽音ちょっと入ったりしたけど馴染めず、結局やらず、みたいな。本当に音楽から全く離れてる状態にいて、でもギターは好きだからギター触るきっかけを作ってくれたのが「GIGGLE」で、ショウマさんと一緒にイベントやってたのがギターを触るきっかけになって。だからバンド自体をやりたいというポテンシャルはあったけど、周りの環境に左右されて大学4年生くらいまで過ごしてて、そのタイミングでポッと井手さんと出会って、「やりましょう」「やりたいやりたい」みたいな。最初は結構軽い感じっていうか、バンドはコピバンまでしかやってきてなかったから、バンドに対する考えがすごくラフっていうか。「やりましょうやりましょう」っていう軽い感じでやったらどんどん深みにはまって。そういう感じでした。
I:こんなに続くと思わなかったよね、実際。
W:懐かしい。一番最初黒いテレキャスター持ってスタジオ入って、今聴いたらほんとひどい。
I:ね。昔のサウンドクラウドをこないだ名古屋行く時に発見してて、ギターすごい面白かったですよね。最初ヒトシが入るときに、ヒトシが下手すぎて『Goodbye my town』っていう曲があったんですけど、3連の曲で、ヒトシのバスドラがでかすぎて、電車の高架下に俺らがいるみたいにきこえちゃって。ドンドンドンドンドンって(笑)すげー音割れしてて。
そこから始まってセリさんと多分翌年くらいに出会って、それが多分2015年とかで。その頃今の形に定まってきて。
宮君はアルコホリックショートケイクスを当時やってて、THE RESTAURANTとタイバンとかしてって感じで?
宮本(M):そうですね、タイバンもしてたし、名前は結構地元の中では聞いてたので、井手さんが新しいバンド始めたって聞いて。
こっちのほうがいいな、みたいな?
M:まあ正直思いました(笑)タイバンした時もAnvisやめてアルコホリックショートケイクス自体も自分的には全身全霊でやれてる感じではなかった。で、THE RESTAURANT見たときに「超いいバンドじゃん、俺こういうのやりたいんだよな」って思って、そんな日々を過ごしてたら井手さんがサポートやらない?って声掛けてくれて、1回スタジオに入ってそのちょっと後にすごい楽しそうだなって思って、井手さんに「サポートやります」って。
じゃあそこまでは井手以外は面識なかったんだ?
M:全然なかったです。
W:宮君とこんなに仲良くなると思わなかった。
I:俺もそう。Anvisの時そんなに絡んでなかったもんね。
M:そうですね。THE RESTAURANTに入った時も実際まだメンバーになるか結構悩んでたんです。最初のライブ終わった後にユーヤ君に口説かれて、そこで落ちて、「なんてかっこいいんだろう」って。楽しそうだったし、こうあるべきだよなって思って。
4人で落ち着いて2枚目のフルアルバムは、前作と変わったところというか、自分たちの中で成長したかな、みたいなところとかは?
I:ざっくり言うと、1作目よりもちょっと深みが増したというか、1作目が初だったから割と2作目でつかんできてる感じはしてて、俺の曲も割と『Summer』みたいな底抜けに明るい曲だったり『雨上がり』みたいなそういう曲があったりするけど、本来もともとsyrup16gとかが好きだったから、暗いところも入れたいなと思っていて、そこが今回のアルバムでは上手く混ぜれてるというか、いい感じに活かせてるんじゃないかなと思います。
summer
生活とリンクするような感じ?
I:結成当初から割と。
結成当初は元気だったから元気な曲が、みたいな?
I:それもあったんだけど、ちょっと大人になっていくにつれて社会でもまれることも多くなって、ごく当たり前のようにそういう曲を作れているような気がします。
やっぱり歌詞とかもそういう?
I:うん、歌詞とかも。もちろん歳を取って結婚もしたし、背負っていくものもできてきたし、むしろバンドがどんどん期待されていることによって自分たちももっと深いレベルで生活できているから今の曲を書けてるのかな。
具体的に今回の曲の中で、自分の推しの曲は?
I:『youthful days』が一番。メロディーラインだったり、全体を通して完成度高いなと思っていて。
youthful days
メロディー先行で作ってる?
I:基本的にはやっぱり曲作りの最初はメロディーのサビを作る。で、サビが良ければ何とかなるって自分では思ってて、あとはコードの展開だったり、自分の好きなところをどんどん足していって、バンドでやってどんどん他の人の意見を聞いて作っていくので、『youthful days』はサビが飛び抜けていいなって自分で思ってたから。サビが良ければ曲作りもスムーズに進んでいくので、自分的に特別な曲になってるし。あとは、『僕がそうであるように』っていう曲があって、それも後半のほうで作ったんだけど、わりかしメロディーがバランスいいなとは思ってます。この2曲が結構推しだったりします。今回ユーヤ君が爆発してるんです、アルバムで。
ユーヤ君は、曲作りのスタイルがちょっと変わってきてるのかな。別で百姓一揆というバンドもやってるけど、自分の中でも表現したいのが変わってきたかなみたいなのはある?
W:あります。初期からファーストのミニアルバム聴いて、今のアルバム聴いてもらうと全然違います。
M:違う人入ったみたいに感じになる。
W:僕は「あの子いたっけ?」って言われた(笑) 多分そのくらい変わってきてる。
百姓一揆 – 福沢諭吉
もともとマイナー調な曲が多いイメージではあったけど、いい意味でJ-POPっぽさがなくなってきたっていうか。
W:普通じゃつまんないなっていうのは根にあって。『初期衝動』とかはバンドのメンバーとかにはよく話してるんですけど、実際に話したことはないから、『初期衝動』はバンドの終わりの曲って感じなんです。多分歌詞を見てもらえると結構分かると思うんですけど、バンドが続いていくっていうのが当たり前になってたんです、ファーストミニアルバムの時って。その時から1年半くらいたって、身の回りの環境の変化が結構あって、自分も結婚し井手さんも結婚して、近い将来子供がってなったときに、バンドがどこかで止まるっていうのがあって、止まるっていうのを考えたときにできた曲なんです。だから、「白紙の紙に描いた」とか、「出てくものの代わりに失っていくものがある」っていうのとか、情景が曲の中に入っているのが、それを比喩しているんです。自分も曲を作る上で、3年前と今では全然スタイルが違う。時の流れみたいな。
初期衝動
ユーヤ君の曲も構成までかっちり作ってきてる感じなんですか?
W:そうですね。大体1から8くらいまで作って。『缶ビール』とかは今までにないスタイルで作ってる。今の曲を10とするとあれはもともと6くらいまでしか作ってなくて。
じゃあセッション寄りって感じ?
W:そうですね。自分が持ってきて、結構いいなと思って持ってきたときのメンバーの反応が自分の思っていた感じの半分くらいだったんです。メンバーの返ってくる感じが。「こんな感じか、もしかしたらボツになるかも」って思ってて、
I:『初期衝動』が完成した後だったから余計にそうかもしれないね。
W:宮君がそのタイミングで、「2A入れてみたらどうですか」って言ってくれて、そのスタジオでセッション的にやって、そのあとにサビ入れてどうなるかってやってみたら、結構いいじゃんって。で、後追いで歌詞入れて完成してるんです。『缶ビール』とかは結構今までにないスタイル。
I:そうだね、バンドで作った感あるね。
W:今までは自分だと100まで持ってきて、バンドで130,140くらいまで伸ばしていくような。『缶ビール』は違う感じ。
I:なんだかんだ言って6年目?結構やってるから、わりかしそういうのも出来始めてる気がする。フィーリングを言葉で言って通じてる感覚はあります。曲作りで詰まった時にポッと宮君がアドバイスくれたり、ユーヤ君が面白いフレーズいじってくれたりとか、ヒトシは普段結構的外れなんだけど、たまに爆発的にカッコいいリフとか伝えてくるから面白い。
M:化学反応が生まれてるなと思います。
I:打率1割くらいだけど(笑)たまにホームラン打つよね。
『缶ビール』が特にTHE RESTAURANTぽいっていうか、ユーヤ君の曲なんだけども、ちょっと井手の曲っぽさもあるっていうか。THE RESTAURANTらしさを意識して作ったのかな?
W:そうですね。あれはTHE RESTAURANT向けに作った曲です。
缶ビール
今後の展望は?
M:今後どうしたいですか、井手さん?
I:今後どうしたいですかね、楽しくやることが一番じゃないですかね。大前提としてスタジオで笑って一緒に演奏してたい。
W:次のアルバムはちょっと変えたい。こんなのできるの?みたいなのやりたいですね。ガラッと変えたい感じはあるかな。
I:出し尽くしたいね、いろいろ。
W:バンドは生きてるからその時に感じてることとかを生で出しておきたい。音源を出すタイミングって1年くらい遅れてくるじゃん。それが結構歯がゆくて、自分がその時感じてることが出てくるのが1年半後みたいな。『初期衝動』はまさにそうで、作ったのは2年半くらい前なんだけど、出てるのは今年の夏じゃん。そういうのがあるんだけど、もっとその時感じてることをそのタイミングで出したい。今はもっと深いドライブと深いリバーブをかけて何かやりたいっていう感じはある。次はガラッと変えたい。
I:個人的にはユーヤ君と俺の曲の差がどう変わっていくのか楽しみたい。それは悪い意味でもなんでもなくて、お互い何かどこかで共通している部分があったり、例えばoasis好きだって言ってくれたり、俺もTurnoverやbearwearとかかっこいいと思ってるから、どこかで離れてると思いきや離れないみたいな。それが新たなTHE RESTAURANTらしさを出していくのかな、みたいな楽しみがあります。
一緒にやっていきたいバンドとかいる?
I:いっぱいあるよね。
W:いっぱいありすぎて、ここ最近で一緒に楽しくタイバンして仲良くなったバンドが結構多くなってきたから絞れはしないけど。anthology three chordとか。
I:うんうん、北海道関係ね(笑)かっこいいと思ったことは伝えたいよね。
Further のバンドと地元のバンドとかは一緒に長くできたらいいな。何か起こせそうな気がします。
singlesとかね。
M:そうですね。
anthology three chord
singles
地元三島市を盛り上げたさはある?
I:ありますね。
外から見てワイワイ面白そうだなって思ってもらったら。
W:それ最高だよね。この前ツトムさんとしゃべってて、沼津にスケートパークが出来て、そんなにでかくないけど小さくもないみたいなところで。この前東京埼玉の途中くらいでFOR A REASONが企画したTRUE FRIENDS、ああいう感じのやつをここでできれば。小さくもなさそうだからそこでandprotectorに乗っかって何かできれば面白そうだよね。この前ツトムさんとそんな話をしてて、面白そうだなって思って。
I:いいね、今なら出来る気がするよね。
M:実現させたいですよね。
TRUE FRIENDSでのand protector
最後に一言お願いします!
I:前回のミニアルバムはぶっちゃけちょっと、自信があるかないかって言われたらなかったのね。聴きたいっていう人にその値段で売って、その値段分の満足度を得られるかっていうと、分からない感じだったけど、今のアルバムは買ってくれたらそれ以上の感情っていうか、そういうのを感じてもらえるような感じがするから。
そんでもって多分CDよりライブのほうがかっこいいから、ライブに来てほしいね。
今回の聴いて、前の暮らしの中で聴いたらまた聴こえ方がちょっと違う。そういう聴き方もしてほしいね。
I:ファーストミニとファーストフルでだいぶ違うから、一回ハマってくれたら今後の成長も楽しみに思ってくれる人が増えると思ってるから。とりあえず一聴してほしいって感じですね。
release info
THE RESTAURANT – 踠いていく日々(もがいていくひび)
2,000円(+税) 品番:FTPS-66 2019/8/21(水)発売
深夜二時
Youthful Days
初期衝動
缶ビール
特別を繰り返して
Holiday
2013年、12月、冬
僕がそうであるように