toe、LITE、te’といったバンドが生んだ2000年代初頭のインストバンド全盛期に耳の肥えたリスナー達はaudioleafやmyspaceを漁り、彼らを見つけ出した。ずば抜けた「センス」と「楽曲力」、そしてライブの「エモーション」でアンダーグラウンドシーンを駆け抜けたバンド、それが8mだ。今となれば王道なインストポストロックスタイルとなるのかもしれないが、その表現にはインストながらにしてbloodthirsty butchersやNUMBER GIRLからの影響を感じるエッジの効いたギターとテクニカルに「唄う」ドラムが印象的で色褪せないサウンドを鳴らしていることが今作で証明された。当時の「残響レコード」の盛り上がりに沿うような形で、彼らは飛躍を遂げた。ファーストデモは下北沢ハイラインレコードでも常に上位をキープし500枚以上を売りあげ、08年にリリースをしたstereo typeとのスプリットはディスクユニオンの委託販売を中心に300枚を即完売。ギターロックやインスト好きのみならず、エモやポストハードコアといったコアな層からの支持も厚く、彼らは音を洗練させていった。ただその活動は一瞬の煌めきの如く、2008年に活動休止してしまっていたが、2013年に新たにkeyをメンバーに加え活動を再開。新しいインストバンドの時代を切り開く一角となるであろう。