interview
theoremリリースによせて(further platonic)
2019年4月24日に1stアルバムをリリースするtheoremについて、私自身の事と重ねて書きました。
theoremとの出会いは丁度10年前。
a picture of her , document not found , birth , theorem , sewi , stereo typeの6バンド共同企画「sakilo」という企画を発足の際a picture of her菊池さんに招待してもらった時だった。
僕らはa picture of herとbirth以外は面識が無く、ワタルから事前に企画に対する想いをEメールでもらったのを覚えている。大分記憶は薄れてきているけれど、音楽に対して真剣に取り組んでいる事を感じたし、色々教えてもらった。教えてもらったというか彼らのスタンスを盗んでいったに近いだろう。
当時から僕らは社交的な活動には距離があり、ひたすら訳も分からずブッキングに出まくっていた。そんな僕らにとってbirthや京都のsewi、theoremの活動は強烈な焦燥を感じた。同い年や少し年下の奴らが自分たちのやり方で切り開いていた。
a picture of herやdocument not foundも独自のDIYセンスで企画を組み、都内は騒ついていた。僕やbirthコータ君も確かその頃は都内に住んでいて、Killieを中心としたシーンへの憧れを如何に僕達の世代でアウトプットしていくか、あの頃同じような景色を観ていたと思う。
そんな中、関西圏から異彩を放っていたのがsewiとtheoremだった。sewiのカワノによる3rd recordsの発信をインターネットでチェックし、すげー学んだし、憧れて今に至っている。
当時catune系のバンドを主に辿ってきた僕にとってtheoremのサウンドは斬新過ぎた。
うまく表現できないけど当時の僕は「ナンバーガールとsyrup16gとLITEをごちゃ混ぜにした感じ?」って感じだったかと思う。恥ずかしながら彼らを知って以降、カウパーズやENGINE DOWNを並行して聴き比べ、theoremの表現に対し理解を深めていった。尚且つ激情に疎かった僕にとって当時から彼らを激情と結び付けて捉えてなく、それは今回のアルバムで証明された。
彼らはずっとロックなんだ。その佇まいから皆も感じてるだろう。
BASSのガクを筆頭にリスナーや対バンに媚びない姿勢を貫き、それでいて独自のユーモアセンスで楽しむ・楽しませる事を忘れない。大学生コピバンの延長線には無い芯を最初から掴んでいる。それは持って生まれた資質だろうね。
DRUM津田君はsewiでも長い期間叩き、内に秘めた熱がライブで放たれる感じが好きだ。楽曲に意味を持たせるドラムを叩くと思う。
GUITAR南條はNostalgic four past and cigarette endで出会い、sewiにも加入し、うちのレーベルでは三度目のリリース。三度目の…。どこに隠れてたのか聞きたくなるぐらい、本物のギターを弾く。彼は本物だ。俺たちみたいなニュアンスで不協和音を鳴ラシ続ケル「エセ」ではない。theoremが現在のサウンドに到達するにおいて、このギターが必須だったであろう。
でもやっぱり忘れられないのが亡くなったギター明和の事。俺と同じぐらい髭が濃くて、どっちが濃いかって写真撮った事もあった。明和は実はバンドの中で一番「毒」を持っていたと思う。それを見せない「人間性」とのギャップが魅力だ。彼の弾くフレーズと唄は、どこか危なっかしくて気持ち悪い。ふらついていて、抉ってきた。それが妙に沁みついて、僕は好きなギタリストだ。また観たいし、youtubeでは観れる。
思い出話をしたい訳ではない。
現在も僕達の世代には共通の葛藤があり、若いバンドが活躍する今も如何に切り開いていけるかを考えていこうじゃないか。
▶interview(Vocal&Guitarノリオカワタル)
release info
theorem
1,800円(+税) 品番:FTPS-61 2019/4/24(水)発売
1. C.R.A.C.K.
2. リメンバー
3. 碑銘
4. EDGE OF TOMORROW
5. 煤煙
6. Firebird
7. クロスロード
8. コースアゲイン
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Publishded by nzm